ノルウェーの科学ジャーナリストが贈る、10代に向けた科学の入門書。
3部構成になっており、「宇宙」「死」「数」をテーマに科学の世界へ誘ってくれます。
巻末の解説で長沼毅先生は、「本書は3つのテーマの縦糸を、"生命"や"思いやり"の横糸でつなぎ合わせている」と述べています。
一見関連性の無いようなテーマに見えますが、世界をひも解いていくと、結局のところすべての事象はつながりを持っているのだ、ということが感じられました。
例えば、「死」のテーマだけでもいろいろな視点から述べられていておもしろかったです。
各国で死をどのように捉えているかという民俗学的な見方、輪廻転生や「死の国」はあるのかといった宗教的な見方、デカルトの二元論などの哲学的な見方、そしてサイボーグや冷凍保存器などの科学的な見方…。
また、数学を「自然の言葉」と書かれていたことにも、興味を惹かれました。
環境が違えど、自然にひそむ数のしくみは変わらない。
だから、もし地球の外に住んでいる生物と交信するときには、彼らとの共通言語が数学になるかもしれない。
…なんだか、わくわくする想像ではありませんか!
案内人でもある著者は本書を読み手に語りかけるように書かれているので、「教えてもらう」というより「一緒に科学の冒険をしている」という感覚で楽しめるのがよかったです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ヤングアダルト。
- 感想投稿日 : 2012年6月17日
- 読了日 : 2012年6月16日
- 本棚登録日 : 2012年6月17日
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