表紙は予言者ヨカナーンの首に口づけをしようとするサロメを描いた一枚。
本書はこの挿画を描いたオーブリー・ビアズリーと彼の姉・メイベル、そして戯曲「サロメ」を生み出したオスカー・ワイルドを巡る物語です。
物語のはじまりから、ビアズリー姉弟が堕ちていく気配が満ち満ちているのです。
誰かを想う気持ちと大きな成功への渇望に突き動かされるように、どんどんねじまがった方向に事が進んでいく様子は、怖いと思いつつ目が離せない魅力がありました。
ラストシーンのどろりとまとわりつく蜜のような甘やかさにぞくりと鳥肌が立ちました。
散りばめられた”禁忌”の気配に酔いしれながら読了。
読書状況:読み終わった
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読みました。
- 感想投稿日 : 2019年6月15日
- 読了日 : 2019年5月15日
- 本棚登録日 : 2019年6月15日
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