三島由紀夫と楯の会事件 (角川文庫 ほ 11-2)

著者 :
  • KADOKAWA (2001年4月25日発売)
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感想 : 11

檄文は二度読んだ。youtubeで探して、肉声、当時の映像も見てみた。思想的立場は異にするけれど、圧倒された。「豊穣の海」全四巻を読んだのをきっかけに手にとった一冊。事件当日の詳細なドキュメンタリー、檄文、遺書、そこへいたるまでの過程、楯の会の結成、残された人々へのインタビュー、年譜から成る一冊。三島自身の問題意識が煮詰められ、先鋭化し、期待をかけていたものに裏切られ絶望し、この事件にいたったことは痛いほどに伝わってくるが、それでも、どうして、他に道はなかったのだろうか、と問いかけながら読み進めていった。/以下、備忘録的に/個人体験を論じることは、究極には感性の域に入り、感性は暴力で決着をつけなければならないと、会員たちは考えていた/「二・二六事件をみてください。ゼネラルが最後には、どんな態度をとるか、歴史が証明しているではありませんか」(持丸)/持丸に『豊穣の海』の本多繁邦のイメージが重なり、森田には、第二部「奔馬」の主人公飯沼勲が明確に重なっている。/三島のように、イデオローグであると同時に行為者になった著名人は、まったくといっていいほど見当たらない。/

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2015年6月5日
読了日 : 2015年6月29日
本棚登録日 : 2015年6月5日

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