耶律徳光と述律、に触発され。キタイ、西夏、金の項だけ拾い読み。耶律阿保機の革新性、遊牧と中華を折衷などというレベルでなく、全く新しい国の形を作ろうとしていた英雄としてのべる。耶律突欲は、文化人かつ冷静沈着な為政者だったが、不運に不運が重なり、キタイ、渤海、中華をわたりあるく賑やかな人生、と語られ、耶律堯骨は良くも悪くも素直でおおらか、それ故に、中華を支配する夢が叶いそうな時に、統治に緩みがでて、猛烈な略奪に反感を買い、叶わなかったと描かれる。五代を中国の正統とする史観を鼻で嗤う描き方。特に、司馬光や欧陽脩へは容赦がない。教条主義的な正統感、華夷の区別をバッサリ斬り、特に、五代の沙陀政権の残忍野蛮ぶりを語り、こんなものが正統でも文明でもあるわけがない、キタイのほうがよっぽど正統で文明的と語りたいのだと思った。
読書状況:読み終わった
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本・雑誌
- 感想投稿日 : 2015年1月22日
- 読了日 : 2019年11月10日
- 本棚登録日 : 2015年1月22日
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