近代中国史 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2013年7月10日発売)
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本棚登録 : 250
感想 : 23

タイトルは「中国近代史」だけど内容は「中国近代経済史」。ただ経済史の側面から語られると政治史の流れもよく見える。「官」と「民」、「士」と「庶」が隔絶した伝統経済が長く続いたことが中国史の特徴。それは政治的には、支配階層は社会のごく一部の上層を支配しているだけで、民の末端まで支配は行き渡らない。秘密結社や地方組織の中間組織の上澄みをおさめてるだけで、中間組織は中間組織でその下をおさめるが、それすらすべてを治めるにはあたらず。中間組織も支配者をあてにできる部分はほぼないから、時に武装し、時に徴税する、それゆえひとたび歯車が狂えば、容易に支配者へ牙を向く、という見取り図。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年11月17日
読了日 : 2019年11月17日
本棚登録日 : 2019年11月17日

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