坂本龍一と関係した人々のインタビュー、寄稿。時代も青年期、大学時代、YMO以前、YMO時代、ソロ時代から没後まで。テーマも、音楽はもちろん、美術、映画、社会運動、庭園、哲学とさまざまに語られ。印象に残ったのは、◆茶の湯にもなぞらえ。非即興的であると同時に即興的な状態。「枠」の設定が、即興的要素を「自由」へと導いていて◆共演者との「競争」ではなく「共創」◆完全に純粋な音楽や中立的な音楽など存在しない、というリテラシーはもっておくべきだ。生きている人間の表現は何かしら政治性を帯びるし、ましてメディアに乗ればその作用はさらに強まる。(坂本龍一)◆ぼくは音楽からあらゆる刻みを取り払いたいと思ってるのね(坂本龍一)◆「音楽のほうが坂本龍一に寄る」(狭間美帆)◆ピアノとの関係を深めていった晩年の坂本にとって、演奏は<自己>をよく知りうる相手との対話であり、演奏する身体を生きることでありのままの自分として生の時間を更新することだったのだろう(小沼純一)◆たとえどんなに弱い立場になったとしても、皆であげ続けなければならない、無かったことにされてしまう前に(坂本龍一)◆坂本龍一の教育実習◆映像でもいいから「LIFE」のインスタレーション版は見てみたい思い。あと「TIME」も。◆映画戦メリをワンシーンワンシーン音楽とあわせて論じた論考も◆◆◆読みたくなった本や記事、多数。◆瑕疵としては、巻頭の、週刊文春かよ!と言いたくなるような大貫妙子への下世話なアプローチだけはいただけないなと思った。
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- 感想投稿日 : 2023年11月27日
- 読了日 : 2023年11月19日
- 本棚登録日 : 2023年11月1日
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