地図の中の札幌: 街の歴史を読み解く

著者 :
制作 : 井上哲 
  • 亜璃西社 (2012年11月21日発売)
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本棚登録 : 38
感想 : 2

地図でめぐる札幌の歴史。個人的興味がある事項をいくつか拾う。/製麻工場、明治20年、北海道製麻株式会社に、23年本社工場が現在札幌中央郵便局のある、北6東1に竣工。繊維採取工場(製線工場)が北区麻生町6〜7丁目に設置。会社は明治40年日本製麻株式会社と合併して帝国製麻株式会社へ、昭和16年、太陽レーヨン株式会社と合併し帝国繊維株式会社へ。化学繊維台頭のため、札幌の会社、工場は昭和31年、38年に閉鎖、後者が「麻生」という町名、地下鉄駅名に辛うじて名をとどめる。テイセンボウルは帝国繊維が経営している。名前の由来/地下鉄をゴムタイヤにしたことでJRと乗り入れできないこと、定山渓鉄道跡を利用して、南区も延伸できたのでは、というIFをかかげる著者。しかし、今となれば、地下鉄が分離していることで、冬期にJRの運休の影響をまったく受けないというメリットもあり、どっちもどっちと言えそうに個人的には思う。/植物園西側、北四条通りの西11丁目〜西17丁目間。通称、ミニ大通。閑静な遊歩道で著者のおきにいりとか。ちょっと一度歩いてみたくなる。/著者主催のコンターサークルS、機関誌「等高線S」にもあたってみたくなる。著者の趣向として、あまり街歩きに興味がなく、閑静な場所を歩く事に指向が向いているようで、個人的には逆の指向なので、街歩き指向の人が同じ目でみたらどうなるのか、というのも読んでみたく思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2012年12月24日
読了日 : 2014年6月22日
本棚登録日 : 2012年12月24日

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