リモートワークについて調べていたところ、本書の存在を知った。どうやらリモートワークについて集中的に書かれているらしい。
まず、筆者の主張が強い。リモートワークに踏み切れない企業について、
「多くのオフィスでは、愛想と出勤態度だけは文句なしの、凡庸な人材で埋め尽くされてしまう」
と言った表現をする。
初めこそ少し抵抗があったものの、読み進めていく内に、それは筆者の信念の強さに由来しているのだと知る。
筆者の1人はデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンである。ウェブ業界では「DHH」という呼称で有名な人物で、Ruby on Railsの開発者として知られている。
Ruby on Railsは大変有名なフレームワークであり、オープンソースとして開発されている。オープンソースとはつまり、世界中の開発者が開発に貢献しているということ。そこでは、場所も時間も問われない。
Ruby on Railsの成功を思えば、DHHがいかにそのコラボレーションに腐心したかは想像に難くない。
そのような背景があるからこそ、本書の内容は確固たる「リモート論」として学びの多い一冊だった。
もちろんリモートワークの良さだけではなく、その誤解やデメリットにもきちんと触れる。その点はフェアだと感じた。
ただし章ごとに内容の区切りが曖昧で、重複感は否めない。さらに挿絵が多いので、見かけ以上にエッセンスは少ない。
それでも、実体験に基づいたリモートワークの解説本として、リモートワークの教科書としては一読の価値ありと感じた。
(より詳しい内容の引用については書評ブログの方より宜しくお願いします)
https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E3%83%AA%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%81%AE%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8_%E5%BC%B7%E3%81%84%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%AF%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%92
- 感想投稿日 : 2020年2月27日
- 読了日 : 2020年2月27日
- 本棚登録日 : 2020年2月14日
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