下流の宴 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2013年1月4日発売)
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感想 : 169
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この小説では、2つの世界が交互に描かれる。

1つが「福原家」。自称、中流家庭。教育ママの由美子を中心にして、ちょっとズレたところがある人たち。貧困層に対して「あの人たちは私たちとは違う」などと発言したり、とんでもない言説がまかり通っている。

そしてもう1つが「宮城家」。沖縄の離島にルーツを持つ一族。いわゆる「温かい人たち」的な描かれ方。

福原家の長男である「翔」は高校を中退してフリーターをしていた。親との喧嘩で家を飛び出した彼は、宮城家の長女である「珠緒」と交際をスタートして同棲を始める。

珠緒はまぁ善人で努力家なのだけど、由美子からの評価は散々なもの。由美子は自分たちの祖先は医者であり、特別なのだと力説。珠緒のような女性が翔と同棲し、あまつさえ結婚しようなどとは笑止千万。そんな態度。

それに対して、珠緒は「自分も医者になる」と啖呵を切る。

そんなストーリー。当然、福原家が悪、宮城家が善のような描き方がされる。やや露骨すぎる描写が多いものの、そのデフォルメ化は勧善懲悪としてはまぁアリかな。

夢中になって500ページを一気に読んでしまった。

(ネタバレを含む書評全文に関しては、書評ブログの方を宜しくお願いします)
https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E5%A6%84%E4%BF%A1%E3%81%93%E3%81%9D%E8%B2%A7%E5%9B%B0_%E4%B8%8B%E6%B5%81%E3%81%AE%E5%AE%B4_%E6%9E%97%E7%9C%9F%E7%90%86%E5%AD%90

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 現代小説
感想投稿日 : 2020年7月12日
読了日 : 2020年7月12日
本棚登録日 : 2020年6月14日

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