論理的思考力の低下、情緒の欠如こそは、国語力の低下にあると指摘し、日本の教育のあり方を憂いで「国語教育絶対論」を展開した格調高い【藤原正彦】の名エッセイである。 著者の出生地(満州)と、ソ連軍侵攻により藤原一家が本土に引き揚げたに至った状況は、「満州再訪記」で詳細に語られている。関東軍が開拓団を見殺しにし、我先に逃げ帰ったという叙述は、はらわたが煮えくり返る恥辱の戦争犯罪としか例えようがない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
国内ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2019年9月12日
- 読了日 : 2019年9月12日
- 本棚登録日 : 2019年9月12日
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