備前・児島半島で生を受けた三宅弥平次(後の明智左馬助)の波乱の生涯を追った本編は、【加藤廣】による『信長の棺』『秀吉の枷』に続く本能寺三部作完結編である。織田信長の常軌を逸した横暴ぶりが、前二作を通して繰り返し描写されてきた。明智光秀ならずとも、信長への怨念は深まるばかりである。光秀の娘婿となった左馬助の実直さゆえに律儀な振る舞いは、殺伐とした戦国の世に仄かな輝きを見る想いがする。
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2019年9月26日
- 読了日 : 2019年9月26日
- 本棚登録日 : 2019年9月26日
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