第二次大戦末期のロシア戦線で左腕を失い、故郷ドイツの山あいの村で郵便配達人として働く17歳の青年ヨハンの物語です。ヨハンの郵便物には「死亡通知書<黒い手紙>」の配達があり、戦地からの帰りを待ちわびる村人たちの慟哭の叫びがこだます、逃れようのない戦争の悪夢の日々が描かれていきます。熱狂的なヒトラ-支持者、SS隊員の孫の戦死を受け入れずにいる老婆、ポーランドやウクライナからの強制労働者など戦時下に生きる人々のエピソ-ドと衝撃的な結末は、敗戦国ドイツが背負った贖罪の物語として、胸が締め付けられる物語です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
外国文学
- 感想投稿日 : 2021年3月27日
- 読了日 : 2021年3月24日
- 本棚登録日 : 2021年3月24日
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