この世界を知るための 人類と科学の400万年史

  • 河出書房新社 (2016年5月14日発売)
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感想 : 20
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科学がどのように発展したかについて人類の誕生から始まり、現代科学までを記述している。単なる年表のような事実の列挙ではなく、科学者やその周囲だけに収まらず、その時代の人々の文化・文明・思想等も含め、常識を覆すための困難を饒舌に語っており、とても惹きつけられた。特にどんな人でも人は沢山間違える事を知れてよかった。

内容は大きく分けて3部構成。
第一部は人類の誕生からアリストテレスによる思想(科学)の刷新までで、人類誕生、文化・文明の発生、神話の幕引きについて。

第二部はアリストテレスからの離別に焦点があり、17頃世紀からの物理学、化学、生物学はどのようにアリストテレスの思想から抜け、現代科学の基礎を構築したかについて。(ローマ時代は科学が殆ど育たなかったとして、本書から抜け落ちている。)
例えば物理学であれば物体はそれぞれ目的を持っているため動く、というアリストテレスの思想に対しコペルニクス、ガリレオ、ニュートンの描写を中心に、物体は法則によって動く事が常識になる一連の流れが書かれている。

第三部は著者が物理学の博士号を取得したこともあり、物理学視点での現代科学を語っており、ニュートン科学では説明のつかない事象への新理論等について。どうやら既にニュートンで物理学は完成されたとされ、物理学の研究に否定的な風潮すら一時期はあったらしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年2月26日
読了日 : 2019年2月26日
本棚登録日 : 2019年2月16日

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