大戦目前の準備編だろう5巻である。
黒王軍の内情が明らかになり、彼らが準備万端で南伐を始めた一方、ドリフターズたちの属するオルテ帝国・グ=ビンネン方面では内部勢力の整理と難民対応に追われている。
ドラマとして見ると、大きいのは旧帝国軍組の二人の邂逅と、難民を前にぶちかます豊久がスポットの当たるポイントだろう。
先陣を切る土方の無感動さや、執拗に信長への敵愾心を燃やす光秀、平原を見て覚悟を決める豊久など、対決を前にして、仕込みは流々と言ったところだろうか。
黒王の狙いを明らかにすることで、人の原罪を口にする彼の正体を少し明らかにしつつ、一方でタンクデサントの概念を持つ彼の知識面に謎を残しているのもまた興味深いところだ。サンジェルミ伯同様、彼の正体には謎も多い。
合間の巻であり、星四つ半相当と評価しているが、戦間期を丁寧に描写した巻だろう。
破滅的な黒王軍の進軍なども素晴らしい描写だ。相変わらず力強い絵を描いてくれている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2019年7月16日
- 読了日 : 2019年6月14日
- 本棚登録日 : 2019年7月16日
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