ポスト消費社会のゆくえ (文春新書 633)

  • 文藝春秋 (2008年5月20日発売)
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本棚登録 : 224
感想 : 27
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やはり堤清二さんという人は、経営には向いていなかったんですねぇ、という結論は何となく端折りすぎの感が自分でもしますが。
しかし、この本での堤さんは驚くほど達観していて、上野女史に何を言われても、怒りもせず解脱者の域。
もっと反論してもよいのになぁ。

理想主義で経営するのが通った時代もあり、通らなくなった時代もあり、後者にいたってセゾンは解体した、くらいにしておきますか。

日本の労働者も二週間くらいの有給休暇をとるようになるべきだ、、、というべき論で作ってしまったサホロリゾート。
だから、本気であれは庶民のために作ったのであり、今日の富裕層マーケティングなどとはおよそ対局にある。

でも、「当のセゾングループの社員に二週間の有給休暇を与えていましたか?」と訊かれ、「差し上げてないですね。」
と回答するあたりは、悲しいほどずれているが、それはあくまでも今から振り返っての視線だ。
たぶん堤さんは本気で一億総中流で豊かになる社会を考えていたのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会学
感想投稿日 : 2018年3月10日
読了日 : 2008年月
本棚登録日 : 2009年3月8日

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