シリーズ最終章。三部作を読了。これでバルサとチャグムの長い物語も幕を閉じた。
迫り来るタルシュ帝国に抵抗すべく、皇国を守るべくチャグムが命をかけて文字通り、大海原へ飛び込み、そして戦がついに始まる。
そのチャグムを追いかけるバルサ。ようやく二人が出会える再会シーンはグッと来る。
二人の旅は、第一シリーズを思い出させる。
この一連のシリーズは章ごとに、バルサ、チャグム、タンダ、トロガイ師、帝、そしてロタ、タルシュ、カンバルの国王や王子、将軍、密偵など、実に多くの登場人物の視点に切り替わって進んで行く。誰もが思惑を持っていて、人間味もある。100%の悪人が存在しない。だからこの物語はファンタジーなのにリアリティを何故か感じてしまうんだろうな。
あと、リアリティと言えば、この世界の食べ物や着物に独自のネーミングを付けてしまうとこもすごい。徹底している。毎回、物語の最初に、国ごとの登場人物と地図、そして言語の解説に頁が割かれているんだけど、これは助かる。何せものすごい数のキャラクターが出て来て、「誰だっけ?」って思ってしまうもんだから。
好きなシーンは沢山有るんだけど、チャグムが帰還して、父親である帝と二年ぶりに対峙するシーンは、息を飲んでしまう程の緊張感だ。
バルサがタンダの腕を切断するシーンもかなりのインパクト。(上橋さんは、いとこに医師がいるらしく、アドバイスをもらったらしい。)
あとは何と言ってもラストシーン。シリーズの後半は終始、戦が続き、争い耐えない目まぐるしい展開が続いたが、ほわーっとするエンディング。良かったね、バルサ、タンダ。
バルサは本当にカッコいい女性。実際に戦うとめちゃめちゃ強いんだけど、その信念の強さに惹かれる。
そして、アニメ「精霊の守り人」も今また見返している。11歳のチャグム可愛い。。
このシリーズには、ドキドキさせられ、涙を誘われ、沢山夢ももらった。また数ヶ月後読みたくなると思う。今回は同僚に借りたので、大人買いしようと思います。
- 感想投稿日 : 2018年10月13日
- 本棚登録日 : 2018年10月13日
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