ロシア紅茶、飲んだことないから飲んでみたい。毒が入ってないやつがいいです。
再読。国名シリーズ第一作目。
表題作を含め、短編が六つ。短編も中編も長編も、難なく器用にこなすよなぁ、このひと。六編とも本格もの、らしいです、著者のことば曰く。なんだろう、「本格」っていう言葉の持つものがやっぱりどうしても、「論理的」「パズル的」っていうのがあって、有栖川の書くものは正直、そこまでではないっていう印象なんだなぁ。息が詰まらないもの、読んでて。だから読めるし、すげぇなって思うんだけど。
火村が違和感を覚える切っ掛けって、すごい些細なんだよな。え、そこから? っていう。「ルーンの導き」とかな。ただ表題作に関しては、なんか急に必死になったなって気がした。容器がないってことに。確かにまあ必要なのは分かるんだけど、もうちょっとそこを重視してますってポーズを入れてほしかったなぁ。
そういう感想を抱いたってことはつまり、再読といいつつ内容をきれいさっぱり全部忘れてたってことなんですがね。
最後の、「八角形の罠」には挑戦状、入ってました。一応手を止めて考えましたが、犯人と共犯者に目星をつけたくらいで終わりました。これはあれだ、容疑者たちには凶器を隠しに行く術がない→共犯者がいる→可能性を考えてこの人しかいない。第二の被害者の最後の言葉から共犯者に向けての恨みだと推察→だとしたら第一の殺人の犯人はこのひと、煙草の銘柄が共犯者と一緒なのもまた何かあるんだろうなっていう誰でも考えられる流れ。
「犯人を当てられただけでは痛くもかゆくもない」って有栖川ずっと言ってるので、一矢報いることすらできてないですな。第一の殺人の凶器の受け渡し方法と、第二の殺人の方法まで当ててこそだろう。
抜粋は表題作より。
「私は忘れないよ。君が命を賭けた最後のキスを」
火村ってときどきすげぇこと、言うよな。
- 感想投稿日 : 2016年4月6日
- 読了日 : 2016年4月6日
- 本棚登録日 : 2011年1月22日
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