魔法の色を知っているか? What Color is the Magic? (講談社タイガ)
- 講談社 (2016年1月19日発売)
森博嗣は、一体いつから、どこまで構想を立てた上で小説を書いていたのだろう。
前の話でマガタ・シキって名前まで出てきてたっけね? 今回は出てきました。ウォーカロンの反乱、になるのかなぁ?
人工細胞のおかげで寿命が限りなく長くなって、そのかわり子供が生まれなくなっている世界。唯一子供が自然に生まれている特区。この特区、神殿のあるとこ、百年密室のところ? 女王とかでてこない? 冷凍されてなかったっけ、あそこのひとたち。されてたよね、確か。
S&Mシリーズがあって、女王シリーズがあって、それからこれ、ってことなんだろうなぁ。
途中で分かったけど、淡々としているハギリ博士の様子とかも、もはや愛情を理解できていないからなんだね。子供を産めない、作れないとなると、親子の情とかも理解できないしなぁ。でもじゃあハギリ博士は誰から生まれたの? 自分の親のことは覚えてないんだろうか。恋人とか、夫婦とか、そういうものは、ああでも、前作で夫婦が出てきたよなぁ。やっぱり科学者だからなのかなぁ。思考が合理的すぎる。
子供を産める民族(というにはまとまりがない気はする)を求めてのテロに巻き込まれた博士たち、みたいな、バイオレンスというか、動きは激しい系だったかな、と。語りが淡々としてるからさらっと読んじゃうけど。
一番ぞっとした部分は、ヴォッシュ博士が問われた魔法の色で、「赤、黒、緑、白」と答えたところ。これがなんのキィになってかは分からない。結局、彼らを止めるためのコードはそれではなかったわけだし。ただ、講談社ノベルスのシリーズでそろそろ中ダレしてきてんなぁ、ってときに出た「赤緑黒白」は久しぶりに面白い森ミステリだった、っていう印象だった気がするのよ。内容忘れてるけど。だからさぁなんかもう、で、どこを読んでおけばいいの? って気分。
抜粋。ほぼほぼラストに出てきた文。これはほんと、ちゃんと物語を読んだ上で(たぶんS&Mや女王シリーズも読んだ上で)読むべき一文なんだろうなとは思った。
「人間は、どこで間違えたのでしょうか?」
- 感想投稿日 : 2016年5月12日
- 読了日 : 2016年5月12日
- 本棚登録日 : 2016年5月12日
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