ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1)) (創元推理文庫 523-1)

  • 東京創元社 (1974年12月13日発売)
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感想 : 187

 SAN値がごりごり削られる。

 収録は「インスマウスの影」「壁のなかの鼠」「死体安置所にて」「闇に囁くもの」の四作。クトゥルフ関係は「インスマウスの影」と「闇に囁くもの」。
 改行少なくて文字がびっしり。翻訳ものらしく、遠回りな言い回しが多く一文が長くて意味が取りづらい。読めなくもないけどもうちょっと読みやすくできるだろうなとは思う。まあそしたらこの雰囲気は崩れちゃうのかもしれないけど。
 ホラーとして普通にどれも面白かった。クトゥルフじゃなかったけど、「死体安置所にて」が一番好き。短くて読みやすいし、いいオチです。
 適度にグロくて適度に気持ち悪い。登場人物たちがクトゥルフ関係の何かに接したときに感じるいいようもない恐怖心というか嫌悪感ってのが好きだなぁ。どうしてそう感じるのか、っていう問題じゃないあたりがとても。そういう存在なのだ、と定義されてる感がいい。ただまあ「闇に囁くもの」の主人公、ラストはちょっと軽率だったよ。だって、どう考えても最後の手紙書いたの、別人じゃん。その時点で殺されてるじゃん、エイクリーさん。その手紙の雰囲気だとか文体とか、思考の流れとか、そういうのを根拠にするんじゃなくて、もうちょっと確固とした信じるにたる何かを用意してほしかった。
 抜粋、「インスマウスの影」より。


「(略)――イア! イア! クトゥルフ・フタグン! フングルイ・ムグルウナフー・クトゥルフ・ル・リエー・ウガ=ナグル・フタグン――」


 まあ引っ張ってくるならここかなって。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典/海外
感想投稿日 : 2019年4月15日
読了日 : 2019年4月15日
本棚登録日 : 2019年4月15日

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