青春ソバット 4 (IKKI COMIX)

著者 :
  • 小学館 (2011年2月26日発売)
3.96
  • (19)
  • (30)
  • (15)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 213
感想 : 16
5

有田が童貞である正にその時に、既に大人の男と性的な関係を持っている早熟な白洲と出会って、白洲の発する性的なニュアンスを男女のものと区別できずに触れてしまった事で、彼らの物語は動き出して、思春期のあやふやさと片付けられそうな関係を35歳になっても続けているのが何とも言えずいい!!25歳の白洲と有田も、35歳の白洲と有田も、それぞれ物語があって、両想いでハッピーエンドで「好き」と言う関係がこのまま続いて行く、ではなくて、25歳には25歳の関係が新たに始まって、35歳には35歳の関係が新たに始まって、ひと悶着を越えて行っている感じがいい。35歳の白洲の方に、誕生日プレゼントに女子を抱かせる機会をあげてしまうなど、有田をノンケの世界へ戻りたいのであれば戻ってもいい、と言う諦観?後悔?があったりするのがまたいい。白洲はあの高校生の時に有田と出会わなかったら、タツが自分の実父と知った後に荒れそうだからなー、強い様で、大人びている様でとても繊細で寂しがりなので、文字通りやりまくりのびっちになって、心身ともに荒さんでしまったかもしれん、と思うと、有田との出会いは運命だったんだよ、って思うよ。自分が認識している自分の好みと、現実は違っているって事だけど、好みと恋愛感情を抱く感覚は必ずしも一致しないんだね。タツ=大人の男、と言うのは幼児期の擦り込みで、かなり強固な「縛り」ではあるけど、その範疇外から有田はやって来て、性的衝動=恋愛じゃないものを白洲に持ってきたんだよ。滝川が有田と白洲の事を何かと気にかけているのは、有田が本気のノンケかどうかを判断しようとして、うろちょろしていたにすぎん、と思えてしまうとこが凄い(笑)。白洲が家に入れるほど有田と仲が良いのは、白洲の方に有田を特別視する感情があるのかどうか、傍で見定めて、隙あれば…と思ってたんじゃ…(笑)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: BL
感想投稿日 : 2014年2月10日
読了日 : 2011年12月25日
本棚登録日 : 2011年12月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする