とても不思議な構成の物語。子供時代の描写は、隼子の思想がませているとことか、群れたがる女子にうんざりするとことか、非常に共感モード。で、思春期になると隼子がモテ出して、ここで共感終了w 美人ではないけど足がすらりとしていて、ボーイッシュな服をかっこよく着こなす、大人っぽくてモテる隼子のイメージを頭の中に描くのがとても難しかった。芸能人だとしたらどんなタイプなのかなー。 で、私が大好きなのは、中学校の教師とつきあい初めて急激に大人になってしまった隼子が、河村先生に別れを告げられるシーン。先生は、高校卒業まではもうセックスはするなと言い、勉強を頑張れという。そして別れた後、先生は教師を辞めて責任をとる。ここの別れ際の美しさにはヤられました。隼子が「今日できっと最後なんだ」と薄々気づくとことか、とても大人っぽくていいんだよね。それと隼子の人生に傷がつかないようにサポートしてくれる小山内先生の存在も素晴らしい。でも本当にこんなことあったらびっくりだよ!だけど世の中にはあるんだろうな。
タイトルのツイラクというのは意図せず突然恋に落ちることを指しているわけだけど、道ならぬ恋の場合は、そこからはいあがる必要がある。(ここからは私の解釈) 堕ちっぱなしでいるわけにはいかない。はいあがる為には、知力が必要なんだと思う。「家族」も墜落から引き上げてくれる存在としては非常に大きいけど、隼子には本当の両親がいなかった。私が子供時代を振り返ってみると、片親の子って色気のある子が多かったと感じる。隼子も両親がいないことで、色気がにじみ出ていたんだろう。家族がいなくて色気がある隼子は、墜落から這い上がる為には知力を味方にするしかない。身を挺して「勉強するんだ」と隼子に教えてくれた河村は、なかなかいいやつではないか、と読み終えて思うのでした。登場時はチャラい感じでいけすかないんだけどね。子どもを描いた話だけど、30過ぎた人間が読むといろいろな読み方ができるので、とっても面白いです!
- 感想投稿日 : 2013年11月10日
- 読了日 : 2013年11月10日
- 本棚登録日 : 2013年11月5日
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