初めての柳広司さん作品。
表紙とスパイミステリーという紹介に惹かれた。
スパイになる人って頭脳明晰でカッコイイ!来世はスパイになれるくらいの才能がほしいと読みながら憧れてしまった。
でも結城中佐のようにどんなに優秀でも任務に失敗すると過酷な結末が待ち受けている孤独な職業でもある。
本作品は、スパイと陸軍が絡む5編で構成されていて、それぞれに主人公も状況も異なる。どれも面白くて甲乙つけがたいけれど、個人的にはスパイの優秀さが際立つ【ジョーカー・ゲーム】とスパイとして求められる厳しさを痛感する【XX(ダブル・クロス)】が好き。【魔都】は最後が悲しかった。
結城中佐発案のもと設立されたスパイ養成学校「D機関」は、当時の軍隊組織では当たり前だった考え方を完全に否定し、全く異なる思想を学生に教えていたから周囲からの圧力や批判が多かった。
しかし、そんな周囲の反応を気にすることなく着実に成果を上げる結城中佐はやっぱりすごい。こうゆう人が世の中を変えていく人なんだろうな。
特に印象的だったのは、「殺人や自殺は、スパイにとって最悪の選択肢であること。」5編の物語を通して、スパイとして一人前になるために必要な精神論がたくさんちりばめられていて興味深かった。
シリーズ化されているみたいなので、他作品も読んでみたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年6月7日
- 読了日 : 2022年6月4日
- 本棚登録日 : 2022年6月1日
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コメント 3件
sikisoku55さんのコメント
2023/09/15
satokoさんのコメント
2023/09/15
sikisoku55さんのコメント
2023/09/19