児童文学翻訳者の百々佑利子さんがニュージーランドで児童書専門店を経営しているバトラーさんに出会い,本書を日本に紹介することになったという奇跡.
バトラーさんの孫であるクシュラ.手指の奇形,黄疸,泣く,寝ない,聴覚も視覚も怪しく外界と遮断された状態.コミュニケーションを取ること,成長することはほぼ望めないと思われた状況.それでも,「専門家の意見にも屈せず、強行で思いやりに満ちた決断をいくたびとなく下した」(巻末の推薦の言葉より)様子が描かれている.
元々,絆が強く絵本好きな家族.自分たちの気分を紛らすためにも「絵本の読み聞かせ」をしながら子育てをする.どういう事に反応を示すか/示さないか,コミュニケーションの質・語彙など,クシュラの反応をしっかりと観察しながら,当初は無理だと思われた成長を記録に留め,「教育学の論文(卒論?)」として発達理論を元にクシュラの成長を分析している.
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
一般書
- 感想投稿日 : 2020年1月11日
- 読了日 : 2020年1月11日
- 本棚登録日 : 2020年1月11日
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