妻が椎茸だったころ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2016年12月15日発売)
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本棚登録 : 914
感想 : 91
5

ちょっと不思議な余韻の漂う短編5作品。
どれもラストでドキリとしたりヒヤリとしたり。短編ながらも中身は濃い。

一番印象深いのは、タイトルがインパクト大の表題作。
亡き妻のレシピ帳で見つけた謎のメモ。
不思議に思った夫は、妻のレシピ帳により今まで知らなかった妻を発見する。
レシピ帳を読みながら妻の姿を追い妻に寄り添う夫の姿に、読んでいて優しい気持ちになる。
そしてラストの一行には泣けた。

彼の妻は「椎茸」だったけれど、では私は何かな、とふと考える。
…私は若布かな。海の中をゆらゆら漂いながら海上の柔らかい光を感じたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中島京子
感想投稿日 : 2017年8月20日
読了日 : 2016年12月22日
本棚登録日 : 2016年12月22日

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