猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1951年8月25日発売)
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本棚登録 : 2062
感想 : 240
5

飼い主の心猫知らず。
周囲の人間が呆れる程、只ひたすらに飼い猫リリーに愛情を注ぐ、正に「猫可愛がり」。
本作のタイトルの順番通り、常に「猫」が一番上。
妻や愛人よりも、である。
リリーが一度哀愁に充ちた眼差しでじっと自分を見上げただけでもうメロメロ。
リリーの言いなり。
リリーは只、飼い主の顔を何の気なしに見ただけなんだろうけどね…それを言っちゃあ、おしまいよ。

谷崎潤一郎も相当の猫好きとみた。
猫の描写が具体的で細かすぎる。
これは猫を実際に飼って間近で見て可愛がっている人でなければここまでは描けまい。
谷崎潤一郎に対してぐっと親近感がわいた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年10月7日
読了日 : 2018年10月7日
本棚登録日 : 2018年10月6日

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