おめでとう (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2003年6月28日発売)
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感想 : 252
5

川上さんお得意の、女達の恋の短編集はやっぱりいいな。
ちょっと風変わりな困ったちゃん達の恋愛模様にニンマリしたりアハハと笑ったり。
友人が思わずつぶやいたセリフ「まったくもう、困った、でもいい人だねこの人は」にも激しく同意。
不倫相手の元恋人に憑かてる内に仲良くなったり、論理的思考を持っているのに鈍感だったり。
みんな呑気でおおらかで。
愛すべき困ったちゃん達の逞しさに元気をもらった。

大人のしっとりと湿り気のある恋愛物も良かった。
「俺150年生きることにした。そのくらい生きていればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうしさ」
別れ際にそう言った彼。
途方もない年数は叶うわけはないと知っている。
気まぐれな言葉ということも。
けれど、女はその言葉を忘れない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 川上弘美
感想投稿日 : 2018年9月9日
読了日 : 2018年9月9日
本棚登録日 : 2018年9月7日

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