中学生の少女が失くしたお話を探しに辿り着いた、ゆめみの駅の中にある遺失物係。
そこは誰かが忘れたお話が世界中から届けられる不思議な場所。
係の人から一日一話ずつ読んでもらい、少女は自分の失くしたお話を探していく。
がっかりすることには慣れているから、と学校にもなかなか馴染めずいつも寂しい思いを抱えていた少女。
自分を小さな籠に閉じ込めていた少女は色々なお話を聴く内に、徐々に自分の世界を広げていく。
子供に限らず大人も日々色々なものを失くしている。
けれど失くしたものはどこかにあるはず、と諦めきれない。
そんな諦めの悪い人達の心の奥深くには、こんな遺失物係が潜んでいるのかも。
私の失くしたお話も遺失物係に届けられていないかな?
失くした分だけ新たに創り生み出していくのもまた人生だ。
そんなメッセージの込められた優しい物語だった。
係の人が読んでくれたお話はどれも素敵。
酒井駒子さんの、優しくてちょっぴり寂しげな表紙の絵に吸い込まれそうになる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
安東みきえ
- 感想投稿日 : 2017年12月14日
- 読了日 : 2017年12月14日
- 本棚登録日 : 2017年12月14日
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