自称オタキングの岡田斗司夫が1996年に出した単行本を文庫でニ度目の再版したもの。トリビア的内容がちりばめられていて、面白いことは面白い。
オタクの来歴をくどくど並べ立てたり、自己顕示的なアニメ鑑賞論をぶったり、所謂オタク的要素の濃い文章である。
まぁ、いかに匠、粋、通だとオタクを持ち上げたところで、それは我田引水というか牽強付会に過ぎないわけである。
つまり著者の言う西洋のメインカルチャーなり日本の伝統文化にも、オタクが注目してもいいような深い世界観や莫大な量の知識体系があるわけである。
アニメやマンガに凄い作品があるのはわかるが、「なぜオタクはメインカルチャーに向かなかったのか?」「なぜオタクはアニメやマンガ、ゲーム以上の範疇を抜け出ない(抜け出せない)のか?」という疑問には何ら答えがない。
オタクは普遍的価値を持たないからこそオタクなのだから、その根源となるものが何かを語らない限りオタクを語ったことにはならないのではないだろうか?
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年3月30日
- 読了日 : 2008年5月19日
- 本棚登録日 : 2009年12月30日
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