マッキンゼー、財務省、グーグルを経て、フェイスブックのCOOに就いたシェリル・サンドバーグ(1969-)によるジェンダー論。
ジェンダー論と言っても、学術的に論じるとうい類のものではなく、自身のこれまでのキャリア、経験を振り返るという形式でごく読みやすい。
女性が企業においてポストを得、昇進する際に存在するという「ガラスの天井」、そして女性自身の自己規制。ジェンダーをめぐる無理解・誤解、そして男女に関わらないそもそもの働き方についての思い込み。アメリカという国で特に進取的なシリコンバレーですらそれが歴然とあるという指摘は、説得力がある。
企業で働く女性が読むことでより積極的に上を目指す意欲をかきたてられるだろうし、男性が読むことでいかに無自覚にバイアスをかけ、ソフト・ハード両面で不平等な職場環境を形成しているのかということが自覚できるだろう。
ダイバーシティの掛け声だけはうるさくなりつつある昨今、企業の担当者は議論のてはじめにとりあえず本書を読んでみるのも悪くない。
本書は男女問わず評価が高いと聞く。おそらくとてつもなく有能な人物である著者が、「自分には自信が無かった」と繰り返し語ることで、読者の目線まで降り、共感を得ることに成功しているのだろう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年8月2日
- 読了日 : 2014年8月2日
- 本棚登録日 : 2014年7月20日
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