一時期山となって平積みされていた作品。表紙の雰囲気におどろおどろしい感じを受けて避けていましたが、縁あって購入。せどりとして生きてきた男性が過去に遭遇したエピソードを語る形式になっています。
マニア話は明るくコミカルでないと楽しめないと痛感しました。最初の方はまだ笑って読めるのですが話が進むにつれて収集家たちの熱意を通り越した狂気に恐ろしくなります。そりゃあ10年以上かけて探していた本が見つかった時、発作が起きたのかと思うくらい嬉しいのはわかる。でも手にいれるためにやらかす騒動も程度もので、本を手にいれるために犯罪をおかして平然としていられる心理は理解できないし、最終章に至ってはいきなりマルキ・ド・サドな世界に連れていかれたようなグロテスクな逸話になってしまい、気持ち悪くて読めなくなる寸前までいきました。
ただの本好きでいられる喜びを再認識できるという点では良いです。常識の範囲内でいられることは幸せだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
国内小説
- 感想投稿日 : 2012年10月4日
- 読了日 : 2012年10月4日
- 本棚登録日 : 2012年10月4日
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