ドロシー・セイヤーズが認めたという触れ込みにつられて読んだ作品です。晒し台に固定された状態で殺されていた大富豪。敵を作る名人と言われた彼を殺したのは、現場近くにいた腹違いの妹か、遺産を手にできる腹違いの弟か、それとも…?
本格ミステリを期待すると空振りします。作品中でも言われてますが、こういう単純な事件の方が犯人を見つけにくい。だったらまずは特異な点から追っていくべきところを最後までほぼ放置してます。犯人もわりと早い段階で目星をつけられる読者が多いんじゃないでしょうか。そんな簡単にいくわけはないだろうと期待しすぎて、無駄に「塩漬けアーモンドがなくなったことが後で鍵になるに違いない」なんて思ってました。全く関係なかったですけど。
楽しむポイントは常識からかけ離れた関係者と、逆に常識人な顧問弁護士&警部の対比。変わり者の会話だけだと鬱陶しくなりそうなものですが、常識人のまともな会話にほっとします。常識人たちが振り回されすぎないのもよいです。意外性というのならば、探偵役になる人物の割り当てですかね。普通に警部が解決するものだと思って読んでましたから。展開は早いけれど、ユーモラスなロマンスは好感が持てます。さすが元々ロマンス作家。
謎解きは二の次、ストーリーを楽しむミステリも大好きなんですが、登場人物たちの性格をつかむまでに時間がかかってしまいイマイチのめり込めず。エキセントリックさか、雰囲気か、もうちょっとインパクトが欲しかったです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外ミステリ
- 感想投稿日 : 2012年11月28日
- 読了日 : 2012年11月28日
- 本棚登録日 : 2012年11月28日
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