最初、道祖だの猿嫁だのという単語があったので、民俗学を取り入れたホラーなのかと思いましたが、全然違って、蕗という一女性の一代記でした。
蕗は猿みたいない顔なので、嫁入りしたときに「猿嫁」と軽蔑されます。しかし懸命に、地道に日々励むなかで、次第に閉鎖的な村社会にも受け入れられていき、かけがいのない存在へと変わっていきます。
もちろん架空の人物ですが、土佐地方の歴史を織り交ぜつつ、明治・大正・昭和と激動の時代を股にかけて、次々に襲いかかる困難に力強く立ち向かう主人公の生き方が、とても痛快です。
こういう小説を大河小説というんだな、と納得した作品です。
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- 感想投稿日 : 2011年8月6日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2011年8月6日
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