基礎からわかる - 日本の領土・海洋問題 (中公新書ラクレ 434)

  • 中央公論新社 (2012年11月8日発売)
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感想 : 5
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 のび太のものは俺のもの、俺のものは俺のもの、なんか文句あっか!?

ジャイアンの場合は子供の問題で済まされるが、これを国家がやっちゃだめだろう。


 海底資源が発見されたら、そこは前からうちの領土だ。軍事的に必要な領域だとなったら、お前らそこをどけ、だ。国際司法の場で違法と言われたのに、そんなのには従わないって、海洋条約を批准してないならともかく、してるでしょあなたたち!


 南シナ海の問題を思い出そうとして、2年くらい前に読んだ本をもう一度読み返した。


基本的には日中・日韓・日露間での領土海洋問題をわかりやすくまとめた本なので南シナ海のことはおまけのようなものなのだけれども、中国の海洋軍事戦略を語る上で外せないのが南シナ海。


 南シナ海をおさえれば台湾有事の際にアメリカが救援に来ようとも、この海域に入れない。中国にとっては軍事的に超重要なエリア。この海域を中国の原潜が鯉のように自由に泳ぎ回れれば、アメリカ軍も怖くなんだよね。


 しかしまあ、排他的経済水域(200カイリ)を領海(12カイリ)と同一に主張する暴論はなんなのさ。根拠がなきゃ捏造すればいいのか?


 というわけで日中友好に配慮して発言を控えろとか、当事国で解決する問題に口を挟むな、という主張には耳を傾けてはいけません。これは国際社会が協力して強く非難しなければいけない問題だ。ほっとくと軍事要塞化どんどん加速させるよ。
 まあ、中国にしたら馬耳東風だろうけど。


 誰がこの国の暴走を止めるんだろう。


 フィリピンが経済的な見返りをちらつかされて、大幅に譲歩しないことを祈ります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年8月17日
読了日 : 2015年8月17日
本棚登録日 : 2015年8月17日

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