白磁の人 (河出文庫 え 2-1 BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社 (2010年8月3日発売)
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感想 : 23
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 まさかの映画化にびっくりしてます。6月9日公開!

 日韓併合で日本が韓国支配を強めていた時代に、韓国の山野に緑を取り戻すために生涯をささげ、韓国人に愛された日本人・浅野巧の話です。

 白磁とは朝鮮の磁器のことです。
 当時の朝鮮では青磁だけが価値があるもので、白磁はつまらないものとされていました。しかし彼は白磁の『白』に純粋さと無垢の美しさを見出し、研究のかたわらに趣味で白磁を集めはじめました。

 タイトルの『白磁の人』はその白磁の無垢の美と、主人公の清らかさを重ね合わせたものです。残念ながら若くして死んでしまうのですが、野辺送りの場面では、大勢の韓国の方々に囲まれて荼毘に付されます。それだけ慕われたのにはそれだけ韓国を愛し、韓国の方々を愛した人生があったからですが、その描写には涙を誘われました。
 
 いつまで経っても心の清らかさを失わない人はいます。
 
 大人になるにつれて純粋さを失ってしまう人と、そうでない人がいるのは一体なぜなのでしょう… 
 
 すぐには答えが見つかりません。



読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年6月19日
読了日 : 2012年4月22日
本棚登録日 : 2011年6月19日

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