ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

  • NHK出版 (2014年9月25日発売)
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独占しろ!競争するな!
1000億ドル市場の1%を狙うという場合は常に赤信号
夢は大きく持ちつつも、ひっそりと小さなところから確実に支配する

「賛成する人がほとんどいない大切な真実」を見つけ出せ!
思考放棄につながる4つの考え方
・やってることを少しずつ改良すれば良い
・そこまでのリスクはとれないし
・このまんまでもいいじゃん?
・そんな重要なことなら誰か見つけているはずだし

シリコンバレーの起業家の教訓
1.少しずつ段階的に前進すること
 小さく段階的な歩みだけが、安全な道だ。
2.無駄なく柔軟であること
 すべての起業はリーンでなければならない。
 それはすなわち「計画しない」ことである。
3.ライバルのものを改良すること
4.販売でなくプロダクトに集中すること

だが、むしろ正しいのはそれとは逆の原則だ。
1.小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
2.出来の悪い計画でも、ないよりはいい
3.競争の激しい市場では収益が消失する
4.販売はプロダクトと同じくらい大切だ

誰も築いていない、価値ある企業とはとんな企業だろう?

完全競争下では長期的に利益を出す企業は存在しない。
永続的な価値を創造してそれを取り込むためには、差別化のないコモディティ・ビジネスを行ってはならない。


独占企業は責められて当然と言えるのは、世界がまったく変化しない場合だけだ、

短期成長をすべてに優先させれば、自問すべき最も重要な問いを見逃してしまう
「このビジネスは10年後も存続しているか」


◼︎独占企業の特徴
1.プロプライエタリ・テクノロジー
 固有で真似できない技術
2.ネットワーク効果
 顧客が増えるほど価値が高まり、更なる利益を生む好
 循環となる
3.規模の経済
 スケールメリットを生かした企業活動のこと。
 生産量増大に伴いコストダウンできる。
4.ブランディング
 中長期的に自分たちの「持ち味」を作り出していく
 活動
 会社らしさ、お店らしさ、製品らしさとは何かといっ 
 たイメージを定め、その価値をターゲットである消費
 者に感じてもらうためのすべての活動
 ブランド、ロゴ、製品デザイン(iPhone)

◼︎独占の築き方
1.小さく始めて独占する
 どんなスタートアップも非常に小さな市場から始める
 べきだ。 
2.規模拡大
3.破壊しない
 破壊は競争志向へと歪めてしまう。
4.ラストムービーになる
 最初の参入者になっても、ライバルがやってきてその
 座を奪われたら意味がない。最後の参入者になる方が
 はるかにいい。

ティールの法則
創業時がぐちゃぐちゃなスタートアップはあとで直せない


どんなビジネスも答えを出すべき7つの質問
1.エンジニアリング
段階的な改善でなく、ブレークスルーとなる技術を開発できるか
2.タイミング
このビジネスを始めるのに、今が適切なタイミングか?
3.独占
大きなシェアがとれるような小さな市場から始めているか?
4.人材
正しいチーム作りができているか?
5.販売
プロダクトを作るだけでなく、それを届ける方法はあるか?
6.永続性
この先10年、20年と生き残れるポジショニングなできているか?
7.隠れた真実
他社が気付いていない、独占のチャンスを見つけているか?





独占企業をつくろう!

この1ページがすごい!

競争的なビジネスには、利益が出ないことよりも大きな問題がある。
仮に、君がマウンテンビューでレストランを経営しているとしよう。同じようなレストランが数多くある中で、必死に闘わなければ生き残れない。

(中略)

グーグルのような独占企業は違う。
ライバルを気にする必要がないため、社員やプロダクトや広い社会への影響を考える余裕がある。

グーグルのモットーは「邪悪になるな」だ。

それはブランディングの一種だとはいえ、潰れることなど考えずに論理について真剣に考える余裕があるという証でもある。カネのことしか考えられない企業と、カネ以外のことも考えられる企業とでは、ものすごい違いがある。

——『ゼロ・トゥ・ワン-君はゼロから何を生み出せるか』幸福な企業はみなそれぞれに違うより



もしあなたがビジネスを始めるとしたら、自分のビジネスが非独占企業、つまりは競争的なビジネスではないかどうかを考えなければいけない。

将来、独占企業となる未来が見えるのか。
もしそれがないのであれば、もう一度ビジネスを練り直したほうがいいかもしれない。

独占企業とそうでない企業では、その在り方がまったく変わってくるからだ。

ピーター・ティールが考える独占企業の作るため4つのポイント

ピーター・ティールは、こう語る。

ブランド、規模、ネットワーク効果、そしてテクノロジーのいくつかを組み合わせることが、独占につながる。
ただし、それを成功させるには、慎重に市場を選び、じっくりと順を追って拡大しなければならない。

ピーター・ティールが示したその方法をご紹介しよう。

①小さく始めて独占する

どんな独占企業も市場の大部分を支配してる。
だから、スタートアップも非常に小さな市場から始めるべきだ。

ペイパルも最初は、大きな市場に挑戦したが、自分たちのユーザーが見つから成った。
だから、イーベイのオークションに狙いをしぼって成功した。

スタートアップが狙うべき理想の市場は、少数の特定ユーザーが集中していながら、ライバルがほとんどあるいはまったくいない市場だ。

②関連する市場に規模を拡大していく

ニッチ市場を創造し、支配したら、次は関連する少し大きな市場に徐々に拡大してゆくべきだ。

アマゾンは、まずインターネット本の販売の市場を独占し、本にいちばん近い市場から始めた。
CD、ビデオ、ソフトウェアだ。

アマゾンは徐々にカテゴリを拡大し、ついには世界一のデパートになった。

大成功している企業はいずれも、まず特定のニッチを支配し、次に周辺市場に拡大するという進化の過程を創業時から描いているのだ。

③破壊しないこと

破壊しないことが大事だ。
「破壊」とは、新たなテクノロジーを使って低価格商品を開発して、古いテクノロジーをつかった既存企業の市場まで奪ってしまうことだ。

あなたが、自分をダークフォースと闘う反乱軍だと見なせば、必要以上に敵を意識することになりかねない。

ペイパルは違った。
ペイパルは決済の市場全体を拡大した。市場全体が損をする戦い方と違って、市場全体が潤った。

破壊してはならない。競争をするよりも、新しいことを創造することに時間をかけよう。

④ラストムーバーになる

先手必勝という言葉がある。
これはビジネスの世界でも用いられ、ライバルのいない隙に参入して大きな市場シェアをえるという考え方だ。

だが、本当に大切なことは、最初の参入者になることじゃない。
『最後の』参入者になることだ。

特定の市場でいちばん最後に大きく発展して、その後何十年と独占利益を享受する方がいい。

そのためには、小さなニッチを支配し、長期目標をたて、規模を拡大していくことが大切だ。

独占企業を目指そう!
どんなビジネスしろビジネスを成功まで持っていくことには大きな努力が必要だ。

だったらその成功した先に、お金のことを考える必要のないポジションへいける企業をつくろう。
つまり独占企業を目指そう!ということだ。

何かをやる前に、慎重に市場を選び、未来をみすえて勝負をかけよう!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経営
感想投稿日 : 2020年3月1日
読了日 : 2020年3月1日
本棚登録日 : 2020年2月16日

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