吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2010年1月8日発売)
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本棚登録 : 503
感想 : 70
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大正時代、
借金のために「吉原」に19歳で身売りされた、
森光子さんという方の日記です。

書店のフリーペーパーか何かで
この本が紹介されていて、
ちょっと気になったので読んでみました。


遊郭というと、
私のイメージでは
江戸時代に栄えていて、華やかな場所だという感じだったんですが、
現実は全然違うんだなあ…としみじみ思いました。

大正時代にもなって、
まだこういった制度があったことにも驚きましたし、
一度入ってしまったら、
あれよあれよと罰金をとられ、
花魁自身の取り分は2割程度、
諸費用も自腹で、
借金は増えるように出来ていて
本当に地獄のような場所だと思いました。


まだ若い春駒さん(森光子さん)が
自分の思いを素直に書き綴っていて、
「遊郭」という特殊な職業と場所に
染まるまい、染まるまい…と頑張る姿に
心打たれました。

読んでいて
苦しいような悔しいような気持ちになる本でした。

実際、吉原の中にいた人の視点から読める
貴重なノンフィクション作品だと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年3月3日
読了日 : 2012年3月1日
本棚登録日 : 2012年2月24日

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