フランスの小さな村。
レノ伯爵(アルフレッド・モリーナ)の猛威で因習に凝り固まったこの村に、ある日、不思議な女ヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)と娘アヌーク(ヴィクトワール・ティヴィソル)が越してきてチョコレート店を開く。
次々と村の掟を吹き飛ばす二人の美しい新参者に、訝しげな視線を注ぐ人々。
しかし、チョコレートのおいしさに魅了された村人たちは、心を開き、それまで秘めていた情熱を目覚めさせていく。
そして、夫の暴力を恐れ店に逃げ込んだジョゼフィーヌ(レナ・オリン)がヴィアンヌ母娘の生活に加わってまもなく、河辺にジプシーの一団が停泊する。
ヴィアンヌは、そのリーダーであるルー(ジョニー・デップ)という美しい男性に心を奪われ、彼を店に招き入れる。
だがよそ者であるジプシーたちを快く思わない村人たちの、ヴィアンヌに対する風当たりは強くなった。
魔法のチョコレートによって自分の本心を解放させていくふたりの物語。
魔法のチョコレートによって倦怠期の夫婦に情熱が戻ったり、片思いしている初老の男性の恋を後押ししたり、上手くいかない母子の関係の仲直りさせたりなどのエピソードをユーモラスでファンタジックに描いていて、美味しそうなチョコレートの数々やチリペッパー入りホットチョコレートが食べたくなるし、肩の力が抜けるファンタジックなヒューマンドラマ映画の佳作です。
キリスト教による道徳も大事だけど、自分の本心ややりたいことも大事だというメッセージを、説教臭くなく伝えています。
ジュリエット・ビノシュ、レナ・オリン、キャリー・アン・モスなど女優陣の演技が印象的でした。
- 感想投稿日 : 2023年1月22日
- 読了日 : 2023年1月22日
- 本棚登録日 : 2023年1月22日
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