25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

著者 :
  • 講談社 (2011年9月23日発売)
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本棚登録 : 4492
感想 : 362
5

虫と歌を読み終わってすぐ25時のバカンスも買いに走った。

・25時のバカンス
天才研究者で変わり者な姉と事故で真赤な左目を持つ弟の話。

それにしてもこの人の描く女体は美しい。
シンプルな曲線でそれでいて動きがなめらかで見ていてうっとりする。
弟が真珠を取り出すシーンは妙にドキドキした。
冒頭で二人が自転車に乗っているシーンがあるのだけど、その時点で乙女さんの横顔にネジ穴(?)があるような気がするのだけど、研究者になってから貝を取り込んだはずじゃないのかな。それとももうそのころから真珠を作っていたのだろうか。


・パンドラにて
地球から13億キロ離れた衛生にある女学校での話。


・月の葬式
家出した天才高校生が北の村で月からやってきた王子と出会う話。

失くしたリモコンを見つけたり千羽鶴が足りていないことに気付いたり剥がれた破片の数を当てたり、パッと見て答えが分かる「よみち」の設定が良かった。
終盤、死ぬ直前の間さんは、なんというか、直視できない。ぞわぞわしながら見ていた。


出会い→別れの前作と違って、今作は出会い→別れ→再会だったためか、読了後はなんだかほっとできたような気持ちになれた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: BOOK
感想投稿日 : 2013年2月23日
読了日 : 2013年2月22日
本棚登録日 : 2013年2月22日

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コメント 1件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2013/05/23

「動きがなめらかで見ていてうっとりする。」
綺麗で透明感のある絵が素敵。それはきっと、重力を感じない世界を構築している所為なんだと思う。
今、連載している「宝石の国」が早く一冊に纏まりますように。。。

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