愛しの座敷わらし

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2008年4月4日発売)
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感想 : 244
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座敷わらしの住む古民家に引越してきた家族。
物語の最後まで、座敷わらしはコソッとしか出てこないので読んでいる私まで「座敷わらし出てこないかな」とドキドキして読んでいた。
いつも出てくるわけじゃない、家族の物語の中心になるわけではない登場の仕方が、いっそう「座敷わらし」としての存在感があったように思う。

物語は家族の再生のお話。
自分の殻に閉じこもる家族が、座敷わらしの存在を通して互いの想いを知り、一つにまとまっていく。
座敷わらしを友のように、弟のように接していた智也の優しさがなければ、座敷わらしは出てこれなかったんじゃないかな。
母のぬくもりも知らず、食べ方や遊び方も知らぬ座敷わらし。「お母さん」を感じて母・史子の背中に度々乗っていたのかと思うと切なくなる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年4月25日
読了日 : 2022年4月25日
本棚登録日 : 2019年10月5日

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