赤に捧げる殺意 (角川文庫)

  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2013年2月23日発売)
3.11
  • (2)
  • (16)
  • (33)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 341
感想 : 26
3

ミステリ・アンソロジー
有栖川有栖の「砕けた叫び」目当てで買ったけれど、随分積読状態だったものをやっと読了。
久しぶりだったり初めてだったりの他の作家の短編も読めてよかったけれど、このアンソロジーは特にテーマとかないのかな?
面白かったけどとっ散らかってる感じも……
作家ごとの文体が自分に合う合わないなんかも改めて感じられたりして、
それもアンソロジーのおもしろいところなのかな。

「砕けた叫び」有栖川有栖
作家アリスの短編。
タイトルがトリックを示してるというかなんというか、
とにかくなんでも言ってみるやってみるの助手アリスの面目躍如?みたいでちょっと面白かった。
この「叫び」グッズ、本当にあるのかな。

「トロイの密室」折原一
初めての作家。
文体がイマイチ合わず、登場人物にもなんとなく合わず、
あんまり楽しめなかった。
トリックもあんまり……
「黒星警部」ものを他にも読んでみるかな?

「神影荘奇談」太田忠司
狩野俊介シリーズ初読。
なんとなく思った通りの話運びで、新鮮な感じがしなかった。
平凡。

「命の恩人」赤川次郎
子供の頃に読んで以来の赤川次郎。
流石の読みやすさに感心した。
どんな層も読むことができるベストセラー作家たる所以?
ミステリというより主人公久美子がこれから夫にどう立ち向かっていくのかが気になって……
古典パンにやっつけて心根を入れ替えさせて!!がんばれ!!って。

「時計仕掛けのことり」西澤保彦
一番面白かった!
ロジックのこねくり回し方がいかにも西澤保彦という感じ。
最後のオチというか、主人公の奈々がひとつ大人になった感じと、微妙な読後感の悪さがすごく良かった。
ミステリとしてもこの本の中では一番ではと思う。

「タワーに死す」霞流一
いまいち……。文章は読みやすいけどトリック無茶苦茶じゃん、と思ってしまった。
パズルにしてもなぁ。犯人指摘のキーも……
バカミスってこうだと言われればそうなんだろうけど。
これもシリーズ物なのかな?
しかしアンソロジー収録じゃなかったら読まなかった作家なので、
この本を読んでよかった。

「Aは安楽椅子のA」鯨統一郎
これも、どうなのー?こんなファンタジー、ありなの?
ミステリなのに……
鯨統一郎は何作か読んだことあるはずだけど、こんな風だったっけ?

「氷山の一角」麻耶雄嵩
初麻耶雄嵩、初メルカトル鮎。
トリックどうこうより、メルカトル鮎とは?銘探偵とは?シルクハットにタキシード?
とかそんなところが気になってしまい、謎に没頭できず…。
メルカトルがめちゃくちゃ嫌なやつらしいことは知ってたんだけど、これは…
他の作品も読んでみようか、どうしようか。
傍若無人さは榎木津礼二郎を彷彿とさせるけど、あの無邪気さともちょっと違うというか、どうなんだろう?
もっと若い頃に読んでたらハマったかもしれないな〜。
おばさんには、性格悪い人に振り回される凡人の図、ちょっときつい……。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内ミステリ
感想投稿日 : 2020年5月8日
読了日 : 2020年5月8日
本棚登録日 : 2020年3月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする