一文一文が予定調和を拒んでいるような、安易な理解やモデル化を許さない文章が並んでいる。文章が様々な示唆を含んでいて奥行きを感じるということかもしれない。それゆえじっくりじっくり読まないと物語の世界に入っていけないように書かれているように感じた。そして、その抵抗のようなものが物語の強度を生み出しているように思う。
梶井基次郎の文章を読んでいると、日頃生活の中で受け取る印象を自分は全然言葉に出来ず通り過ぎてしまっているのかも知れないなと思う。きっと何度読んでも新鮮な驚きがある作品集だし、実際に何度も読むことになるだろうという予感がある。
読書状況:いま読んでる
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- 感想投稿日 : 2020年4月13日
- 本棚登録日 : 2020年4月10日
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