青山文平の時代小説は、舞台設定が江戸時代だというだけで、現代に置き換えてもまったく問題ない普遍的な人間心理を描いている。そりゃあもう怖いほどに。
大切な大切な愛娘のために病封じの小袖を縫う手伝いを親戚にたびたび頼んでいる貧乏旗本の妻。今回もそうしたいけれど頼みにくいのは、親戚からの借金を断ってしまったから。断った理由は、夫が欲しがっていた本をこっそり買ってプレゼントしたのでお金が手元不如意になってしまったから。でも夫が喜ぶ顔を見られたんだから、仕方ない、仕方ないではないか。「つぎつぎ小袖」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年4月28日
- 読了日 : 2021年4月28日
- 本棚登録日 : 2021年1月31日
みんなの感想をみる