石黒正数『木曜日のフルット』第2巻。
こういうマンガに出会えることの幸せをどう表現したらいいんだろうな。
これほど登場人物ひとりひとりに細やかな愛情を注ぐことのできる作者、
物語の犠牲にしない作者って、たぶんそうそういないように思う。
世界のあちこちで泡立つ小さな物語(わずか2ページ!)が、
1冊に纏まるとまるで群像劇のように読めてくる不思議。
欄外の細かな仕掛けが、リアルな世界にもその泡立ちが続いていることを予想させる。
こういうの、たぶん小説にはできないし、
あるいは長編マンガというスタイルでも無理だろう。
このペースなら2年に1冊くらいかな。
石黒せんせいには息長く描いてほしいず。
鯨井先輩とフルットのゆるくて固い同盟関係というのは、
人間関係のベストな姿だろうなとつくづく思うよ。
フルットは猫だけど。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
コミック
- 感想投稿日 : 2012年4月21日
- 読了日 : 2012年4月21日
- 本棚登録日 : 2012年4月21日
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