金持ち父さん貧乏父さん

  • 筑摩書房 (2000年11月9日発売)
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この本の著者であるロバート・キヨサキが自身の経験談のように話す内容がフィクションであることでこの本の評価が大きく下げられていることを知ったうえで自分は読んでいたのだが、正直非常に面白かったし、まったくもって批判する気にはならなかった。確かに仮にこの筆者のいうラットレースから全員が抜け出すような事態が起こったとしたら経済はたちまちに破たんしてしまうだろう。しかし、この本にも何度も書かれているように「人は損をするのが怖くて、そのために損をする」というのは本当のことだと思って、私たちはお金そのものを増やす手段について対して教育を受けず、お金を得る手段にばかり時間を割いている。医者、教師そういった人たちがいないと成り立たないのが社会であるが、忘れてはいけないのがいま世界は大半が資本主義に基づく社会なのである。社会主義なら話は別なのだろうが、資本主義の基本構想が雇うものと雇われるもの、持つ者と持たざる者であった。雇われることばかりに私たちは邁進し、「持つ方法」に対して知る努力を払わない。そのことを自覚させてくれるだけでもこの本は良書であると思う。
この本が面白いのは終始考え方についての記述が多数あるのでそのためにも一読の価値はあるかと思った。自分が印象に残っているのは「一生懸命働くだけではだめだというのは、増えた収入のうち大部分が他人の懐に入ってしまうからだ」とか「誰もが天国に行きたがるが、死にたがる人はいない」とか「利益は買った時に生まれるのであって、売った時に生まれるのではない」など固定観念によって見えなくなっていたある種自然な疑問、真理についてである。銭ゲバといって金持ちを批判することもできるが、資本主義経済に生きる私たちは彼らの生き方が間違っていないと認めるべきではないだろうか??

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 資産運用
感想投稿日 : 2016年3月23日
読了日 : 2016年3月23日
本棚登録日 : 2016年3月14日

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