ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新書 290)

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  • 中央公論新社 (2009年11月25日発売)
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初版は1972年に発行された、1965年から6年間に渡ってルワンダ中央銀行総裁を務められた服部氏の回顧録である。
未だにアフリカ諸国といえば一緒たんに扱ってしまいがちだが、当然のことながら各国それぞれに人種も土地も、そして文化も異なり、著者は偏見を持つことなく正面からルワンダという国と人に向き合い、自分に課せられた使命を全うした素晴らしい人物である。
植民地から独立した国が経済的に自立していくことの難しさが伝わってくるとともに、そこには服部氏のような与えられた使命を全うする外部の人物が欠かせないことを実感した。
一方で服部氏と出会えたルワンダは幸運であり、そうではない国々がきっと多々あるとも思えた。つまり、それだけ服部氏がルワンダと正面から向き合い、理解し、自分の経験とスキルをルワンダの発展に捧げるという使命感をもって勤め上げたことのすばらしさが際立っている。
同じ日本人として誇りに思うとともに、現代の日本に自分も含めて服部氏のような人物がいなくなってしまったことに寂しさも覚える。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2022年3月26日
読了日 : 2022年3月26日
本棚登録日 : 2022年3月26日

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