企業参謀―戦略的思考とはなにか

著者 :
  • プレジデント社 (1999年10月29日発売)
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この本は私が生まれた年に書かれている。しかし全く古さを感じない。
近年の大前研一の著書よりかなり骨太の内容となっている。
将来の仕事のことでいろいろ考えた時期がここ最近あり、
その流れでこの本を購入していた。
やっと今後の自らのスタンスと方向性が見えてきたので読み進めた。

昭和50年のときに既に当時の日本経済を、
「戦後のGNP祭り」は日和見主義と
権限移譲ではない多頭責任性が原因とズバリ指摘している。
今日でも「よりかかり的」なものの見方・考えが潜んでいることが
原因となっていることを多くの方が感じるところだろう。
それを打破するための思考法が事例を織り込んで紹介されている。

■戦略的思考
対応しつつ考えること。
作業を分解し本質をまずつかみ、設問を解決策志向的に設ける。
内部経済の分析・管理会計を実施する。

■参謀五戒
(1)参謀たるもの「if」という言葉に対する本能的恐れを捨てよ
 →手持ちの代替案を持ち続ける。
(2)参謀たるもの完全主義を捨てよ
(3)KFS(key factor for success)については徹底的に挑戦せよ
(4)制約条件に制約されるな
(5)記憶に頼らず分析を
 →ただの知識ではなく、事実・データに基づく分析力を培い、
  結果的に「概念」を作り出す力をつけること

■戦略的計画の核心
(1)目的地に達した場合、守り抜けるものでなくてはならない protection
計画の視野planning horizonが狭くてはいけない。
(2)市場の変化を予知し、己の強さと弱さを常に知り抜いていなければならない
(3)リスクを避けるのではなく、あえてとる局面がなくてはならない
(4)戦略に魂を吹き込むのは人でありマネジメントのスタイルである
 謀略であってはならない

経営者が備えるべき、先見性の必要条件は、
事業領域の規定と明確なストーリーの作成とである
自らの経営資源の配分にムダがなく、
また原則に忠実でかつ世の中の変化に対しては
原則の変更をも遅滞なくやっていくという十分条件が必要。
...........

来年は落ち着いて行動し、
飛躍の時機を得て成長したい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経営
感想投稿日 : 2010年11月14日
読了日 : 2009年12月31日
本棚登録日 : 2010年11月14日

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