おさらをあらわなかったおじさん (岩波の子どもの本 カンガルー印)

  • 岩波書店 (1978年4月21日発売)
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感想 : 55
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ブクログ ピックアップで取り上げていて、おもしろそうだったので読んだら、やっぱり面白かった。子どもも大笑い。

お腹がすいた独り者の主人公のおじさんは自分で食事をつくる(偉い!)のだが、食べるのに疲れ果て、皿をあらわずに残していく。

食器がなくなると、灰皿や、石鹸入れまで取り出して。。。
大量に残った食器の始末をどうするか。

ほら吹き男爵のはなしのような突飛さ。

「そんなわけないでしょー」と言いながら、読んでて爽快な気分に。
物語は、常識を超えて、風穴をあけてくれるところが面白いんだよな。

子どもにも分かりやすい笑いのポイントであるのも重要。

普段の生活でも、作るのは楽しい、食べるのも楽しい、でも後片付けはめんどくさい。
こんな、皆思っている気持ちが、共感できる。

荒唐無稽な話なんだけど、これを気持ち良い話にしているのは、挿絵の上品さが大きく寄与していると思う。

洗わない食器が部屋の中の至る所にある、いわばごみ屋敷のはずだけど、かわいらしくなってしまう。
絵の力ってすごいなー。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年1月20日
読了日 : 2020年1月19日
本棚登録日 : 2020年1月19日

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