かくかくしかじか 1 (愛蔵版コミックス)

著者 :
  • 集英社 (2012年7月25日発売)
4.24
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本棚登録 : 2907
感想 : 280
5

東村さんの自伝漫画。

漫画力、すさまじいです。
☆5つを強調表現したいくらい。

リズムが良く、すばらしくエンターテイメント。
笑えて、泣けて、感動できる。そのバランスも絶妙。
完成度が高い漫画で、物語にぐいぐい惹きこまれます。

センセイやアキコの間抜けなところ、かわいらしいところをよく描き、笑ってしまう。いわゆる筆者のツッコミ力のなせる技。いろんな人を客観的に観察してるからこそ、このツッコミの切れ味があるのだろう。

そして、この漫画には涙がでるグッとくるシーンも多い。

それは、主人公のアキコと絵のセンセイとの交流。
指導は非常に厳しく、スパルタ。だけど素朴な、生徒のことをすごく思ってくれる先生に対して、アキコはあっけらかんと鈍感に先生によっかかっている。
親の心子知らず。のような関係。
子どもはのびのびと親に保護されていることも知らずに育っていく。親はいつでも子供が心配。そして心の底から愛している。

そのような関係が師弟関係として成立している。
現実の厳しさの前に、センセイの愛をさりげなく感じるときに感動する。

美大を受験するということ、絵を極める世界の厳しも、ひしひしと伝わる。

東村さんプロフェッショナルなんだなーと思わせるような、厳しい道をなんだかんだ勝ち抜いてきた選ばれし人なんだなーと、しみじみ思う。

あっけらかんと、時に打算的に考えるような若さもありつつ、真剣に絵に向き合う、高校生の主人公に、青春の美しさを感じる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年8月4日
読了日 : 2018年8月4日
本棚登録日 : 2018年7月29日

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