京都の学生が多くいる左京区の本屋さん(恵文社 一乗寺店)の店長が書いた本。
書店がつぶれていくなか、独自の選択(古本や雑貨も)によりオリジナリティーを保ち、わざわざ遠くからも訪れるような有名な本屋さんのようです。
確かに、大学生の時にこんな本屋さんがあったら、何度も通うだろうなと思える魅力的な雰囲気。
ある意味京都というこじんまりしたコミュニティの中に属して、横のつながりがあるから成り立つという部分にも関心。
著者が、ガケ書房の店長と対談する中で、自分たちの店に来ること自体が目的になっていることに危機感を抱いていたのが、印象的だった。ふつうはそれでうれしくなってしまうと思うが、常に媒体でありたいという、本屋さんのことを本質的に考えている姿勢に、じわじわ感動をした。
あとは、話題としては脱線するが、著者は四条河原町付近の開発ぶりというか商業路線を嘆いていた。私も最近京都観光をして、たしかにブレードランナーの都市のようになったあのあたりの雰囲気に違和感を抱き、共感をした。
観光時に、嵐山のグローバルな観光客の大量発生にも感じたが、最近は、本来の京都の良さが失われる部分もあるのかなと。観光地で、観光客もいるけど、のんびりしているなーという雰囲気が好きだが、結構殺伐としているところも多くなってきたな。
そんな中、恵文社の京都らしさは、価値があるのではと感じた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年8月31日
- 読了日 : 2017年8月31日
- 本棚登録日 : 2017年8月14日
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