お話は、オリジナリティがあり面白い。
そして黒澤監督だから、それなりに雰囲気もあり、絵もかっこいい。
亡くなった人が、普通の人のように淡々と現れる。普通の人のように生活しているのだが、やはり別れは訪れる。
その非在感が、「当たり前のように居る」という状況からのギャップから、より悲しみ、喪失感が増す気がする。
淡々と普通に見えて、何か異様な感じがするような雰囲気の映画として、演出は成功していると思う。
だが、なんとなく、この異様な雰囲気というのが、少しナルシスティックな、自意識過剰な幽霊たちを観ているような気分になってしまった。
タルコフスキーなどの耽美的な映像にも雰囲気が似ている気がするのだが、タルコフスキーのように突き放してこない。
突き放しているようで、僕のこと観てと問いかけてきているような。ツンデレな雰囲気を感じる。
そこが気にかかってしまった。
服装もさりげなくおしゃれなカッコよさがあったり。
映画は芸術だから結局は自意識過剰なモノだと思うんだけど、当然力強い自己主張が感じられて当然なのだけど。
この内容だと、本当に普通の、淡々と、間の抜けたようなひょうひょうとした表現の演出だったらより良かったではないか、と思いました。
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- 感想投稿日 : 2018年12月31日
- 読了日 : 2018年12月31日
- 本棚登録日 : 2018年12月25日
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